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焼却残渣に眠る金属資源|灰から生まれるレアメタルの可能性

 焼却灰は本当に「ただの灰」なのか?

 家庭や工場から出るゴミは、一般的には焼却処理され、灰として処分されます。
 しかし、焼却後に残る「焼却残渣(焼却灰)」には、鉄やアルミ、銅といった金属が意外なほど残っているのです。
 さらに微量ではありますが、金・パラジウム・リチウム・コバルトなどのレアメタルも含まれており、資源としての価値が見直されています。
 現場経験者なら誰もが知っている通り、灰の中には大小さまざまな金属粒子が混ざっており、分別や回収には高度な技術が必要です。
 この記事では、焼却灰の中にどのような金属が存在するのか、どのように回収されるのかを、現場目線で詳しく解説します。

 

 

焼却灰に含まれる金属の種類と量

 焼却灰の金属組成は、家庭ゴミ・事業系ゴミ・工業廃棄物の種類によって大きく異なります。

 一般的な傾向として、以下のような金属が含まれています:

  • 鉄(Fe):鉄片、釘、針金など。焼却灰1トンあたり約50〜150kg程度残ることも。磁選で簡単に分離可能。

  • アルミ(Al):缶、包装材、アルミ板。灰1トンあたり5〜15kg程度。比重選別や水中浮遊法で回収。

  • 銅(Cu):配線や電子部品から。灰1トンあたり0.5〜3kg。湿式分離や化学処理が必要な場合も。

  • ステンレス(SUS):台所用品や工業部品から発生。磁石では一部しか分離できず、比重選別が中心。

  • レアメタル:金、パラジウム、リチウム、コバルトなど。微量ながら回収価値が高く、都市鉱山として注目。

 特に注意すべきは、微細な金属粒子です。見た目は灰に埋もれた粉末で、肉眼では分からないこともあります。

 しかし、これらの微粒子こそが、リチウムイオン電池や電子部品由来のレアメタルを含む重要な部分です。

 焼却灰から金属を取り出す現場技術


 焼却灰から金属を回収する工程は、単純な分別作業ではありません。

 現場で実際に使われる代表的な手法は以下の通りです:

  1. 磁選(磁力分離)
     鉄系金属を磁石で取り出す方法。焼却灰1トンから数十kgの鉄が回収可能。
     現場では、灰の水分や異物(ガラス片・陶器片)で磁選機が詰まることもあり、メンテナンスが重要。

  2. 比重選別(密度差分離)
     アルミや銅など、鉄以外の金属を比重差で分離。水槽やフロート方式が使われる。
     微細粒子は流出しやすく、回収効率を上げるために何度も分離を繰り返すことがある。

  3. 湿式分離
     水や化学薬品を使って金属を分離。特に銅やレアメタルの微粒子に有効。
     塩分や酸化物が多い灰では反応が不安定になるため、化学処理の条件調整が必須。

  4. 化学的回収
     酸やアルカリを用いて金やパラジウムなどの貴金属を溶解・抽出。
     微量の金属でも高価値のため、工場単位での処理が主流。

 

 現場での課題とトラブル事例


 焼却灰の金属回収には、いくつかの実務的な課題があります:

  • 灰の不均一性
     同じ工場でも、ゴミの混合率によって金属含有量が変化。予想外に少ないことも多い。

  • 機械の詰まり
     磁選機にガラスや陶器が混入し、メンテナンス頻度が増える。

  • 微粒子の回収率
     粉末状の金属は水や空気中で飛散しやすく、精密な設備が必要。

  • 化学処理の安全性
     酸やアルカリを使うため、作業者の安全管理と排水処理が重要。

 

 

 焼却灰金属回収の社会的価値


 焼却灰から回収される金属は、単なるお金になるだけではありません。

 リチウムやコバルトは電気自動車の電池材料、銅は再生電線、アルミは建材や自動車部品に再利用されます。

 このように、都市鉱山としての焼却灰は循環型社会における重要資源です。

 さらに、焼却灰回収技術の発展は、廃棄物処理費用の低減やCO2排出量削減にも直結します。

 

まとめ:焼却灰は「眠れる鉱山」

 焼却灰には、ただの灰ではなく価値ある金属が含まれています。
 現場技術者の知識と工夫次第で、鉄・アルミ・銅・ステンレスだけでなく、微量のレアメタルまで効率的に回収可能です。
 今後は、焼却灰を単なる廃棄物として扱うのではなく、「都市鉱山」としての価値を最大化することが求められています。
 スクラップの世界は、目に見えない場所にもまだまだ宝が眠っているのです。

 

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